年に10回、会員の知識の向上やネットワークづくりを目的とした躾の専門誌として 「ふれあい」を発行しています。本誌は、財団法人日本宝くじ協会の助成を受けて作成されています。
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“人”この指とまれ

対談200人達成記念特集

躾の専門誌「ふれあい」 VOL.261号にて “人”この指とまれ 対談200人達成記念の特集を取り上げ、多くの方からメッセージを頂きました。その一部をご紹介いたします。

中條 高徳(故人)

アサヒビール株式会社 名誉顧問

伊藤さんの「ふれあい」での対談が、この十一月で二百人に達すると言う。

めでたき哉。偉なる哉。一口で二百人と簡単に言いますが、この御努力は並大抵のものではありません。

二宮尊徳(にのみやそんとく)の有名な教えの中に「積小為大(せきしょういだい)」があります。毎号の対談の相手を誰にするか、決まったらその相手の研究を進めなければ、魅力の記事にならない。あらゆる小さな事どもを丹念に積み重ねてこそ、ひとつの立派な対談が出来上がるものなのだ。

尊徳翁はどんな小さな事でも、一心不乱にやり、そしていい事をし続けるとやがて、考えられないような成果になるものだ。その平生の小さな努力を惜しんではならないと説いたものだ。

伊藤さんの二百人達成を知って、すぐこの尊徳さんの「積小為大」の訓(おしえ)が頭に浮かんだ。伊藤さんの平素の御努力に満腔の敬意を表します。

坂東 三津五郎(故人)

歌舞伎役者・日本舞踊坂東流家元

年長者や先輩に対する無言の尊敬、他人に迷惑をかけぬ生き方など、日本が誇る美しき生き方が失われようとしているように、芸を学ぶという姿勢や、芸に殉ずる生き方など、芸に対する信仰心も、以前と形を変えようとしています。

そんななかで「日本躾の会」の伊藤さんと対談させていただけたことは、誠にタイムリーで貴重な体験でございました。

戦後六十年、日本が得てきた数多くの事々の陰で、失われてしまったものの大切さを、真剣に考え直さなければならぬ時期に来ているような気がいたします。

こののちも先輩方から受け継いだ掛け替えのない大切な芸、そして日本人としての美しい心のあり方を、舞台の上で積極的に体現できるよう、努力をして参りたいと思います。

平 辰

株式会社大庄代表取締役社長

食に携わる立場から、昨今のぎすぎすした世の中について、私の所感を書かせていただきます。

高度成長を期に、我が日本は家庭崩壊が始まったと思います。

大家族から核家族に移り、週宅ローンのためか?夫婦の共稼ぎに端を発し、鍵っ子の著しい増殖。今や、個食(孤食)、個室はあたりまえで家族との食事の場はもちろん会話もなく、日本人すべてがまるで独房生活をしているかのようです。

これでは、「健康をなくし、心の豊かさをなくしてしまう」のは自明の理です。

食の崩壊は、心の崩壊につながります。きちんとした食事を取らず、サプリメントに頼っていては、心を含めた私たちの健康を阻害します。心が病んでいるから、自分のことしか考えられない、人への思いやりに欠けるなどの症状が現れてきます。

また、経済発展による豊かさには、人の心をも豊にさせなければならないのに、どうしてバラバラになったのでしょう。他人を省みない自己保身や利己主義、自分中心の誤った個人主義へと進んで、バランスの悪さが更なる弊害を生み出しています。これらを身近に見聞きするたびに、『「働く」とは』端を楽にする」ことであり、「人の喜びのために働く心と感謝の心」を育成しなくてはならない』

経済の発展と心の発育・成長が伴なわず崩れているバランスを正常に導く第一歩は、孤食追放から始まり、家族団らんで食事をいただく中より、心美人の躾が始まります。

副島 廣之(故人)

明治神宮常任 顧問

ふれあい九月号(二五八号)「人この指とまれ」私との対談、月並みのつまらぬ事を申し上げましたが、案外評判が良く、大いに気を良くしております。

これも伊藤会長の多年のご経験による技術と申しますか、御誘擁によるものと有難く存じております。

私は満九十歳の誕生日を一月後に控え、老兵は消え行くのみ、の感を深くしております。

ますますご健勝にてご発展をお祈りしております。

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